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革製品について 

革についてに引き続き、革製品についてです。

一概に革製品と言っても、使われる革や、製造工程によってその出来は異なってきます。
また使っているうちにも変化を重ねます。
少しでも革製品の事を知っていただき、革製品の本質を知っていただけたらと思います。

<製品・用途に合った革>
革についてで述べたように、革は鞣し方や仕上げによって全く違った特徴を持ちます。
例えばクロム鞣し革の場合、柔らかく伸縮性があり、薄くて軽いという特徴を生かして衣服等に使われる事が多いです。コストが安く量産できると言う点でも向いています。
一方タンニン鞣し革はその堅牢さを生かし、財布や旅行カバン等強度が必要な物に多用されます。その強度から長年使う事ができます。

製作に携わる人間は目指す製品に最も合った革を選び製作する事になります。
用途。強度。使い心地。見た目。
全てにおいて満点を取れる革がない以上、どれかに秀でれば、どれかが劣るという結果がついてきます。

・色と質感が気に入ってカバンを買った。でも物をいっぱい持ち歩くため、柔らかい革のカバンはすぐに型崩れしてしまった。
・極厚革の頑丈そうな財布を買った。でも堅いし分厚すぎてポケットに入らないからすぐに買い替えてしまった。
・見た目と着心地で革のジャケットを買った。でもハードに使う事が多いため、すぐに革が傷んでしまって着れなくなってしまった。

こういった失敗を防ぐために、革製品を選ぶ際はその製品に何を求めるのか。求める物に適した素材を使っているか。しっかり見極める事が大切です。

<製作工程の違い>
革製品において、使われる革とともに重要なのが製作工程です。
革製品の製作手順は製作者によって異なりますが、大まかに以下のようになります。

1.デザイン、型紙製作
2.革の裁断及び下処理
3.縫製
4.仕上げ

1.デザイン、型紙製作
最初にデザインをおこします。見た目だけでなく、使い勝手や機能性も同時に考えます。
続いてデザインを元に型紙を作ります。ジャケット等であれば着る人のサイズに合わせ、カバンや財布であれば入れる物のサイズに合わせての型紙製作になります。
このデザイン、型紙製作は見た目や使い勝手にとって最も重要な部分であり、革製品を選ぶ際の一番の基準ともなります。

なお型紙は一度製作してしまえば何度でも使えるので、フルオーダー品や仕様変更時以外は最初の一度きりの作業となります。

2.革の裁断及び下処理
デザインや用途に適した革を選定したら、革の裁断に入ります。型紙を革に合わせ、革包丁やカッターで裁断していきます。
量産品においては金型を製作して、プレスのように切り抜く方法が用いられます。
革には生来の傷やシワの他にも、繊維の緻密な部分や粗い部分があり、また伸びやすい方向等もあります。どこをどのように切るかで見た目や強度が変わってきます。

続いて革のコバ(裁断面)と床(裏面)の処理です。裁断した革はコバが荒れた状態です。また革の床も繊維が毛羽立った状態です。
これらをしっかり処理すると、見た目が変わるだけでなく、伸び止めの効果や革を引き締めるという点で強度にも影響してきます。
革の裁断面と裏面の処理にはいくつも方法があり、革の種類によっては困難な処理方法もあります。

(コバ処理)
・水や処理剤を用いて磨く。(タンニン鞣し以外では困難)
・染色してから蜜蝋を使い磨く。
・塗料とコート剤を塗る。
・薄く漉いて折り返す

(床処理)
・水や処理剤を用いて磨く。(タンニン鞣し以外では困難)
・革や生地を使い裏貼りをする。

他にも製作者独自の処理方法があり、製作時はそれらを組み合わせて処理をします。
中には素材の質感を生かす目的で、コバや床の処理を敢えてしていない物もあります。

処理方法はメーカーや製作者によって全く違うので、作り手の特徴が顕著に現れる部分となります。またここを見る事で作り手がどういった物を作りたいのか判断することもできます。

3.縫製
下処理が終わったら組み立てに入っていきます。
パーツを組み合わせ、接着してから縫製していくのですが、縫製には手縫いとミシン縫いの2種類が存在します。

(手縫いの特徴)
・工具で革に穴を開けてから針で縫っていくため、ミシンの何十倍もの時間がかかる。
・厚い革や太い糸でも縫う事ができるが、薄い革ではシワになる事がある。
・穴に対して八の字を描くように糸を通していくため、1か所糸が切れてもほつれない。
・手作業なので、縫い目には作業者の力量と特徴が大きく現れる。

(ミシン縫いの特徴)
・ミシンで穴開けと縫いを同時に進めていくためとても早く縫う事ができる。
・薄い革でもシワにならずに縫え、厚い革や太い糸でもパワーのあるミシンで対応できる。
・上糸と下糸をひっかけながら縫うため、1か所糸が切れるとするするほどける。
・機械作業なので、力量が必要ではあるが、手縫いに比べるときれいな縫い目になる。

このようにどちらにも長所と短所があり、どっちが優れているとは言い切れません。
手縫いは一般的に耐久性が高いと言われ、修理も比較的し易いですが高価格になる。
ミシンは安定した品質での生産が可能で量産できる反面、強度と修理の面では難点がある。

革製品を選ばれる際にはそれぞれの特徴を考え、同時に製作者の技量も見ていただけたら、よりよい品選びができると思います。

4.仕上げ
組み立て後は全体の仕上げに入ります。
コバ処理をまだしていない箇所はコバ処理をし、縫い目を馴染ませ、場合によっては表面に保護剤を塗布します。
全体をチェックしたら製品の完成です。

<革製品の手入れ>
使えば使うほど劣化していく人工皮革とは違い、天然皮革は年を重ねる事で変化していきます。使い方次第でそれぞれ違った風合いを醸し出していき、手入れ次第で何十年と使える物です。
様々な過程を経て作られた革製品には、その製品ごとに適した手入れがあり、手入れをしないのもダメですが、過度な手入れや間違った手入れも革を傷める原因となります。
種類によって手入れ方法に違いはありますが、ほとんどの革に共通して言える事がいくつかあります。

・基本は使う事自体が手入れ。手の油などが革の保護にもなります。ただし汚れには注意。
・普段の手入れは乾いた柔らかい布でホコリを払う。起毛革にはブラッシング。
・1ヶ月~数ヶ月に一度オイルやワックス等保革剤を塗布。塗りすぎは強度が落ちる。
・水は大敵。濡れてしまった場合は布で拭き取り、風通しのよい日陰で陰干しする。
・保管時はカビに注意。汚れを取り、湿気と直射日光を避けた保管場所で。

この他爬虫類革には爬虫類専用の保革剤等があったり、特殊な表面加工の物にはそれに適したメンテナンスがあります。
長く使っていただくためにも、革製品ご購入時はその製品に適したメンテナンスをご確認ください。


革についてはこちらをご覧ください


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